街のPR動画ナレーション「数字の指標と愛着の指標」

静岡県のとある市町村のPR動画
ナレーションを担当させて頂きました。

このような動画には、決まって、
「全国2位を誇る」
「品評会で1位」
「住みやすい町ナンバー1」
などの文言が並ぶ。

無論、数値で表すことの出来る「誇り」は誰の目にも分かりやすく、
すんなり頭に入ってくる。

一方で、「心の中のナンバー1」もある。
ここにどこまで気づき、アウトプット出来るか。。。
数値では表されないが、ここも重要な部分であるように感じる。

私が2年以上前から担当してるラジオ番組
K-mix静岡FM放送「神谷宥希枝のVoice Of Shizuoka」は、
静岡にゆかりのある音楽家が綴った唄を、一部の歌詞の朗読と共に紹介している5分番組。
尺にして、たった3分57秒のOAだけれど、
そこには、計り知ることの出来ない音楽制作者の思いがこめられている。

生まれ育った静岡を離れて一旗揚げようと東京で音楽活動をしている方たち。
東京から舞い戻ってきた音楽家だち。

みんなと言っていいほど、
静岡を想って綴った歌を作っている。
狩野川、国道一号線、煙突、東海道線、浜名湖などなど、
「静岡ワード」がちりばめらた楽曲の数々。

きっと、レコーディングの合間や授業の合間に、
ノートの隅に走り書きしていたコトバたち、なのでしょうね。
作り込んだものではないけれど、
無償に込み上げてくる故郷への望郷の念がメロディーにのって口をついて曲となった、
そんな感じがする。

生まれ育った小さな町の景色に溶け込む、
隣のおばちゃんの笑顔や先生、友達、
駄菓子屋さんに文房具店、お祭り、花火大会、釣りをしたあの場所、
通学の電車、部活中に見た夕日。
自分を育ててくれたかけがえのないそれらは決して色あせることとの無い、大切でかけがえのないもの。

数値で見る「誇り」も素晴らしい。
一方、「愛着」というものも、そのものの価値を計る上で大切な指標になる。

PR動画の最後は、
「やっぱり人の温かさ、これがいいんですよね~」
と目を細めていうその街の人々。。。

この感度こそ、人と町を強く結ぶ最たるものなのでしょう。

静岡県内のどこかで、
その町をPRする私の声が聞こえたら、
それこそ、
「静岡を愛するが故の愛着ボイス」
を感じて頂けたら嬉しいです。

 

2022.3.31

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