アマチュアバンドコンテスト 審査員を努め思う

リバティーリゾート久能山【アマチュアバンドコンテスト】
審査員を仰せつかった。
実は入りたくない領域。
なぜなら、私は静岡の音楽家をサポートする立場なので、
音楽に優劣を付けるということをしたくないからだ。
しかし、ご縁は大切。
ここから始まる自分に期待し、お受けした。

審査員とは責任のある大仕事。
ラジオDJとして、
「音楽家への愛情とリスペクト」を軸にコメントをさせてもらえればと、
「伝わる言葉」について書き記している「虎の巻」を見返して復習して臨んだぐらい。

・・・・・結果、バンド毎へのコメントは求めらなかったけれど…(爆)
最後の審査発表の時に「講評」という形で、むりやりぶち込ませて頂いた(笑)

が、挨拶と女性のスカートは短い方がいい(セクハラ💛)ので、
ステージ上ではスパっと完結にしたため、ここに備忘録として書き記しておく。
(参加された皆様のお目にかかることも願いつつ^^)

このバンドコンテストに関わらせていただいて、思ったこと。

 

❶「音楽の力とは、音楽をやる人の力!」

「このコンテストってどういった審査基準なのですか?」と、
目をキラキラさせて聞いてくれた出演者がいる。
もうおじさん(失礼…)なのに、コンテストということで気合いが入っていて、
やるからにはてっぺんを取りたい、というやる気にみなぎっていた、この迫力!このエネルギー!

最近の風潮としては、
「コンテストなんてナンセンス。音楽は楽しくやるもんだから順位をつけるなんておかしい!」という考えがあるのも事実。
実際、過日行った10代主催の彼らのイベントの趣旨は、ずばりそこに理由があった。確かにそう…。楽しそう…。
しかし…、
「今日審査してくれる五十棲さん、実は俺の先輩なんだよ!ヤッベーよね!緊張する…。変な汗かいてきた。やっべっ!」
「俺、四捨五入して60才なんだけどさ~」と、
困った顔をしつつ、自分を落ち着かせようとばかりに話しかけてくる。

でもそれはイキイキとしためっちゃかっこよい顔!!
冷や汗ではない、一生懸命という緊張からくる汗。
誰かに認められたい、且つ、自己満足ではなく誰かを楽しませたい、という
音楽をやる者としての責任感、責任力、ほかならない。

俗に言う「音楽の力」とは、「音楽をやる人のパワー」なのだーーーー!!

 

 

❷「出会いこそ、次の扉を開ける!」

最近よく聞くこと、
「イベントで、自分の推しの子やバンド以外見ない。終わると直ぐ帰っちゃう。」
アーティストさんも、自分の演奏が終わったら他のアーティストさんに話しかけたりすることあまりない。
自己完結、ってやつかな。。。

それが、コンテストという今回の場において、常に満員ではなかったものの、
「他のバンドがどんな演奏をするか、ライバルは誰か、出来ればあのテクニックを盗んでやろう!」
といったギラギラした目によってステージは包囲されていた。
感嘆の声と、俺にはない~というため息も漏れ聞こえるかのよう。

後ろから見てるとわかるけれど、いい演奏には、外からお客さんも次から次へと入ってくる。

余談であるが、
今回、審査が荒れに荒れ、血を見て、、というのは真っ赤なウソだが、
優勝バンドを1バンドに決めるのは難しかったので、「審査員特別賞」を急遽作ったくらい。
それぐらいお客さんの反応も審査結果に比例し、また、させたい、とも思っている。

「あの人たちいいな!」そう思われるバンドマンは絶対に次のステージが現れる。
人がほっとかないからだ。
スマホ一台あれば曲が出来、全世界へと発信出来る時代。でも、その多くは自己完結形に終わる。

だからこそ、
ひと様の前で、本気で、ガチで、自分をさらけ出さなければならないコンテスト、
実は今の時代「大在り」なのですーーー!!

 

 

❸自分への言い訳はマイナスしかない

ちょっと思いました。
曲間のMCで聞かれた「老体に鞭打って歌います」
むろん、それは、
「体力きついけれど(※このコンテストはなんと1バンド持ち時間45分!)次の曲も全力で歌います」
という意味であると推測する。
だから、プラスの意味でご本人は発したと思う。

けど、ちょっと「言い訳」にもとれるかな~。

例えば、ユーミンや達郎さんがコンサートでこの言葉を
発するでしょうか?
あの方たちはとっくに還暦を迎えている。

私がユーミンにインタビューをさせていただいて、こんな印象的な言葉が…。

神谷:「ユーミンって(ご本人がそう呼んでという)コンサートの衣装、本当にお似合いですよね!」
ユーミン:「そうなのよ~、私、何着ても似合うのよ~」

そう、ユーミンは、衣装はコンサートのテーマに合わせプロの衣装さんと綿密な打ち合わせの上で作っているし、
なんといっても、身体を鍛えている!!

コンサートツアーに出ると、スタッフみんなで夜ご飯を食べるが、
外食のあとはスニーカーに履き替えてホテルまで走って帰っているのだとか、、
付き合わされるマネージャー・・・(笑)

だから、前述の言葉になるのだ。
B’Zの稲葉さんも、コンサートの最中どんなどころでも走り込みをしているのをテレビで見たことがある。

ステージに上る言うことは、
アマチュアであろうと、人にお金をもらって自分の音楽を聴いてもらうということ。

自分への甘えはステージでは出さないでほしい。
かっこいいバンドマンでいてほしい!

 

以上、結局長文…
校長先生の演説になってしまった(笑)
ごめんなさい。

賄賂という名のスイーツで、審査員の机は埋め尽くされ、
ご一緒したラムリン(LIVEROXY静岡・SOUND SHOWER ark店長)とほおばるの絵。

さーーここからは、五月蠅い(うるさい)先生です!
五月だけに、、、
★「QP☆STARZ」
★「cool fools」・・・審査員特別賞!!
★「スーパーエディーブラザース3」
★「B.B JACK」…優勝!!
★「Early Rock’in Unit」
★「キャロ吉バンド」
★「TASMANIA DEVIL」

★「QP☆STARZ」
⇒以前、K-MIX神谷宥希枝の独立宣言ザ★オーディションに出演してくれた。その時、審査員から「何を伝えたいのかわからない」と言われた。と。
ごめんなさい!でも私は強烈に覚えていたし、今回の30分のステージで強烈なファンになった。
フロントマン、キューピーさんの忘れられないキャラは決して他の人には真似できない、心にべったり貼りつく感(汗)
囁くような、何を歌っているのかわかりずらいところが、実は聞き耳をたてさせる作戦か!なんか引き込まれる。面白いし!お笑い芸人のにおいもする。
80年代の昭和歌謡をベースにした懐かしい色褪せ感、これは素晴らしい「味」。
そして、スケッチブックに曲名を書いて紹介するあたり、自分を伝えようとする工夫に満ちていた。
だからこそ、他のメンバーの「突っ立ち感」が勿体ない。せめて、敢えて、楽器で茶々入れるとかしてくれればもっとバンドの世界観がまとまると思う。
個人的には、団扇もって応援したいです。実際、審査員でありながら、一緒に踊ってました(笑)楽しかった!!

★「cool fools」・・・審査員特別賞
⇒この人たちすごい!おそらく、個々にやっていて、たまたま一緒にやってみたらいいね!ってとこでしょう。
正直、個々の能力は凄い高いわけではないが、ハーモニーとなるとなんて心地よいことでしょう!keyもひたすら必死に弾いてる様子だが、
3人の歌声を盛り立てよう、という気遣いとテクニックが十分に伝わる。そしてMC!関西弁でわちゃわちゃなってても、いいころ合いで歌にぱっと
切り替わり、気持ち落ち着く綺麗なハーモニーに変わるあたり、マジックを見せられているかのよう!少しマニアックなビートルズという選曲もいいが、
大きく影響を受けながら、しっかり自分たちの身体で消化して、昇華させているのが素晴らしい。絶対にもっと人気出るはず、出てほしい!

★「スーパーエディーブラザース3」
⇒アイアンメイデンのコピーバンド。全員金髪ロングウイッグ、めちゃめちゃヘビメタが好きですよ!って5人組。
しかも、ボーカルは1曲目から観客席に降り、観客一人ひとりにグータッチをしながら叫び、歌う。
でも、でも、バンドなんだからさー、しかも金髪ウイッグでキメてるんだから、ステージでバンドとして魅せてほしい。
ボーカルの方にはお伝えしたが、個々の能力は高いのだから、無理して盛り上げようとするのではなく、自然と盛り上がる方向にいきたい。
アンプからの出音が大きすぎたせいか、耳が・・・・。全体を見渡してみれば、もっと静岡のカバーバンドの頂点に登れると思う。

★「B.B JACK」
⇒優勝おめでとうございます!!
かっこいい!!30分というステージのまとまり、起承転結において素晴らしかった!60、70年代のカバー、ビートルズからオアシスまで、
しっかりと自分たちの個性と技術を余裕と貫禄を感じさせてくれた。ライブハウスにおいて空気を造る、とはこのこと。
もう、半プロの方々であるのは重々承知、だからこそ、お伝えしたいのは、オリジナルも聞いてみたいな💛絶対、イケると思う。
こんな方々が、静岡の音楽シーンを色濃く誇れるものにしていく。すっごい楽しかったし、ファンになった。
で、、、レベルが高いからこそ、「MC時の言葉の使い方」を客観視してほしい。MCも含めてライブステージです。
そこが、カリスマになれるか否かのファクターであると感じる。

★「Early Rock’in Unit」
⇒PAの作りのせいか?歌詞が聞こえにくかったのが残念。ボーカルの音野晋さんの活舌は良いのに、なぜだ!?
ボクシングジムの会長を務め、メジャーデビューに向けて音楽事務所と仮契約中というとだが、どんなステップを今後踏む予定なのだろう?
ボクサーとしての強さを垣間見られる曲「ボクシングジムへ行こうぜ」家族思いのパパとしての優しさ…娘さんへ歌った曲「君の笑顔が好きだから」
など、人間味あふれる音野さんの可能性がどのように羽ばたいていくのか??
サンバドラマー、コージーさん、ウッドベース、ピーマンさんのこれぞプロの音には感服!圧倒的な存在感(ボーカルを引き立ててる上で)に
何も言うことはありません!!なかなかないタイプの唯一無二の存在。

★「キャロ吉バンド」
⇒リバティーリゾート社長率いるバンド。なんといっても、福原社長の人間性がすべて。支えるリズム隊も、おそらく、人としての魅力にひっぱられて
いるに違いない。MCも毎回、面白く、その辺のお笑い芸人よりもよっぽど面白いし、涙もある。
このチームワークの良さが、この会社の勢いの象徴である。

★「TASMANIA DEVIL」
⇒なにこのバンド!上手すぎる!!!びっくらこいた!ジャーニーとかレインボーとかメロディアスなハイトーンボイスを難なく歌っている。
活舌いいし、気持ち良いし。それを支える楽器隊のテクニックの精巧さ!なんでも、研究員として働いている会社の仲間らしく、
音をミクロとしてとらえ、マクロとしてアウトプットしている感に尊敬の念!!
ライブステージとしてみると、もうちょっと「いい意味でのやんちゃさ」が欲しかったような気がする。
極端なこというと、ボーカルが「江頭2:50」テイストを少しだけ入れていただければ何かが変わる・・はず(笑)

ありがとうございました。
また皆様にお会いできる日を楽しみにしています。

 

2023.5.7

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